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2015年05月22日

鼃始鳴 かわずはじめてなく

七十二候だより いのちの暦 [第58回]
七十二候 第十九候 立夏 初候
鼃始鳴 かわずはじめてなく
七十二候 第二十候 立夏 次候
蚯蚓出 みみずいずる
七十二候 第二十一候 立夏 末候
竹笋生 たけのこしょうず

一つの節気に三つの候。
片寄斗史子

七十二候だより いのちの暦」の片寄です。
慌ただしさにかまけて、三つの候をそのままに
してしまいました。

ちょうど一節気にあたる、
三つの候を飛ばしましたので、
ここで、三つの候を一緒にご紹介して(すみません)、
あらためて暦について復習し、考えてみます。

ここで「暦」というのは、
「二十四節気七十二候」を指しています。

二十四節気とは、一年を二十四等分に区切って
季節をあらわしたもの。
この一つの節気をさらに三等分したものが、七十二候です。
24(節気)×3=72、というわけです。

二十四節気は、一節気の「立春」にはじまり、
「大寒」の二十四節気で一めぐりです。
立春が今でいう二月四日あたり、
大寒が一月の二十日あたり。

そうなんです、二十四節気は旧暦を補うもの。
太陽の高さが最も低くなる「冬至」と
最も高い「夏至」を軸に、
その間の「春分」と「秋分」を基点に
一年を二十四等分しています。
ちなみに、この四つを「四至二分」というのだそうです。



旧暦は、月の満ち欠けをひと月とした太陰暦と
地球が太陽を一周する期間を一年とする太陽暦を組み合わせた
太陰太陽暦です。

ところが、月の満ち欠けと太陽の周期では
ぴったりうまく1年が重なりません。
これでは農耕や漁の目安にならないというわけで
考え出されたのが二十四節気七十二候。

気と候、で気候をあらわし一年の暮らしの目途としたのですが、
七十二候では特に
気象の変化を繊細にとらえられています。

そこで、夏のはじまり、立夏の三つの候です。
前の節気は春の最後の節気、「穀雨」。
その末候が「牡丹華」で、華やかな春の終わりでしたが、
緑に覆われ風薫る夏の始まりの候の
何と地味なことでしょう。

「七十二候だより」を書かせていただいて、
暦とは、太陽のもっとも低く極まる「冬至」、
つまり「一陽来復」=希望にあると勝手に解釈しましたが、
この三つの候を眺めていて、
暦のもう一つの基本が、ここにあると思いました。

カエル、ミミズ、タケノコ。
夏の始まりの候から思うのは、生きとし生きる「いのち」を
見つめなさい、いとおしみなさい、いつくしみなさい、
ということではないかなということでした。

万物の力がみなぎる、その前に、
小さないのちの形三つ。
なかなか、にくいですね。

気温に一喜一憂しては、
自分の生活に不都合のないようにと
気象をとらえる一方で、
一年というめぐりの気候のもとに生きていると、
青さをましていく空を見上げてみましょう。

よいゴールデンウィークでしたでしょうか。
夏休みまで、もう一区切り。
小さな気候の変化が連なります。

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Posted by あまゆい at 10:10Comments(0)七十二候だより

2015年05月01日

牡丹華 ぼたんはなさく

七十二候だより いのちの暦 [第57回]
第十八候 穀雨 末候
牡丹華 ぼたんはなさく

鬼太郎ロードから
出雲大社までの
海の道


片寄斗史子

朝の6時に起きたぐらいでは
もう夜明けの気分など、とうてい味わえない
光の強さになりました。

その光の中に
「カアア」と声がしたと思うや、
ベランダの手すりに一羽のカラス。

「おはよう」と言わんばかりに首をかしげ、
「どうぞ」とでも言えば、「おじゃましまあす」と
入る風情。ちょっと子どものカラスでしょうか。

「わあああ、勘弁、勘弁!」と
鳥肌になって、あわてて窓を閉めたら
その音を合図に飛び立ちました。

そして、もう一度、窓を開けて深呼吸。
今日から5月です。
六節気、穀雨の末候、「牡丹華」。
見事な牡丹の花が咲いて、春が終わります。



私の故郷、島根県、中海に浮かぶ島、
大根島(だいこんじま)は、
牡丹と朝鮮人参の産地として有名です。

島根県のお隣が鳥取県。
県境の大きな街が米子(よなご)、です。
そこから日本海へ向かうと、
「ゲゲゲの鬼太郎」を生んだ水木しげるさんの故郷。

鬼太郎ロードなど、いろいろなお店を回って
遊べるようになっています。

その水木さんの実家の前に立つと、
右手に日本海が広がります。
この小さな入り江から左に汽水湖の中海(なかうみ)が続き、
牡丹の大根島へと道ができていて、島根県に入ります。

はじめて大根島に行ったとき、北海道のよう、帯広に
似ていると思いました。面積は大違いですが、
畑作のための開墾という目的が同じだったからでしょう。

中海は、宍道湖(しんじこ)へと連なり、
松江、出雲をまたがり。陸に上がって出雲大社に行くと、
その先に「因幡の白うさぎ」でお馴染みの、稲佐の浜。
二度目の日本海の景色は、大陸へと広がります。

そんなふうに道ができている、山陰の海のロード。
5月は日本中どこも美しいのですが、
とりわけ、故郷、その海の道は光の中です。

もし、山陰を旅されることがあれば、ぜひ。
それから出雲大社にお参りされたら、お隣のお社、
“北島さん”にもぜひお参りください。

ここの庭は、私には、
パリ郊外、ジヴェルニーにあるモネの庭を
思わせます。

景色はまるで似てないので、ご注意しておきたいのですが、
庭のありよう、庭をつくる心が似ているんじゃないかなと
思うのです。

庭仕事、畑仕事、手仕事。夏の準備のはじまりです。
連休が明けるころには七節気、立夏です。
気をつけて、いい連休をお過ごしください。

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Posted by あまゆい at 16:45Comments(0)七十二候だより

2015年04月28日

霜止出苗 しもやんでなえいずる

七十二候だより いのちの暦 [第56回]
第十七候 穀雨 次候
霜止出苗 しもやんでなえいずる

家々のお話
片寄斗史子


東京では、このところ気温が上がって、
どこを訪ねても、電車を降りると、
街路樹で視界が緑色に染められます。

いい匂いがすると思えば
住宅の2階のほうから白い藤の花。
短い房丈の、香りのいいダルマ藤、と友人から教わりました。
そのお隣の家には黄色のモッコウバラ。

私の家のベランダでも鉄線が咲き
ローズゼラニウムなどのハーブとともに花ざかり。
いつもより早い初夏のようですが、
気温は上がっても、でも、まだ、どこかに
終わり切らない春が、空気を“ぼんやり”させています。

さわやかな風、透明な陽射し、緑の匂いの
ほんとうの初夏は、
ゴールデンウイークが明けるとやってきます。


     ジャスミン

少し前のことになりますが、まだ寒さの残るころ、
通勤途中にある町工場が、
気がつけば、ある日、更地に変わっていました。

目を見はったのは、
それまで工場にふさがれて見えなかった家々が、
いちどきに4、5軒、まるまる姿を現わしたことです。

工場とのあいだに路地があり、
奥に家があるだろうことはわかっていましたが、
工場の跡地の向こうに“出没”した家々は
外観に過ぎないのに、無防備に家屋をさらけ出しているようで、
思わず目をそらしてしまいます。

毎日通っていた道の奥に、こういう家があったかと知る、
ただ、それだけのことなのに、
工場に覆われていた景色の中に人の暮らしが見え、
妙に気恥ずかしいような、目新しい気持ちでした。

更地があらわれたことで、
そこに霜柱を見ることができました。
そうして、つい最近は一部分に青々と
雑草が芽を出していました。
まさに「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」です。

その角を曲がったところの家は、
更地を見せる間もなく、ある日、
二軒の建て売り住宅に変わっていました。
やや大きめのゆったりとした風情の家でしたから、
こちらはちょっとさみしく眺めてしまいました。

変わらぬたたずまいを東京の家に求めるのは
無理な話ですね。

新しい「毎日が発見」(5月号)、
巻頭の聞き書きで、
吉沢久子さん(家事評論家・随筆家)は、
ご自分の家が平屋であることを
こんなふうにお話しくださいました。

「この土地は、口をきいてくださる方があって
お隣のお庭を半分分けていただいた土地なんです。
ですから私が生きている限りは、お隣の邪魔にならないよう、
日差しを遮らないようにと決めているんです」。

こういうお話をお伝えできるっていいな、
そう思いながらまとめたお話です。
97歳のひとり暮らしの、ほんとうに今、を
聞かせていただきました。読んでくださいね。

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Posted by あまゆい at 12:37Comments(0)七十二候だより

2015年04月23日

葭始生 あしはじめてしょうず

七十二候だより いのちの暦 [第55回]
第十六候 穀雨 初候
葭始生 あしはじめてしょうず


新しい「毎日が発見」(5月号)ができました。
まもなく到着いたします。

片寄斗史子


六節気、穀雨に入りました。
「穀雨」とは、百穀を潤す雨という意味なのだそうです。
ありとあらゆる穀物を育てるために
辺りを煙らせしとしとと降り続く春の雨。
穀雨は春の最後の節気です。

「雑穀という言い方はないんじゃない、鳥ではないんだからね。
ヒエもアワも、すべて穀物ですよね」
と、これは、「毎日が発見」の連載で、毎月、旬の素材の意味や
おいしい食べ方を教えてもらっている
ウー・ウェンさんの言葉です。

なるほどねえ。
暦の生まれた中国で生まれ、
20代の途中まで育った中国人ならではの見方です。

ウーさんは、その後、日本に来て結婚。
2つの国を行き来していますから、両方の国の暮らしをみつめ、
“かしこい頭”でいろいろ考えてきましたから、
その、ものの見方、考えはたいへん興味深く、
そのお話が私は大好き。“発見”がつきません。

日本は水に恵まれた“稲の国”ですから、
お米が素晴らしいだけに“雑穀”と呼んだのでしょう。
でも、恵みの雨は太陽と同じく、あまねく、すべての
穀物、草木に降り注ぎ。雨がやむと夏を迎えます。

日本はまた、「豊葦原(とよあしはら)の国」といわれます。
その葭(葦)もまた、豊かでやさしい雨を受けて
河川や湖沼の水辺に芽吹き始めるのが穀雨の時期、
第十七候の「苗が出(いず)る」ということです。

やさしい雨もときに風をともない枝を揺らし
花を散らします。そんな先日、雨風は、
遊歩道の八重桜や「しゃが」の花びらを散らしていました。
 


拾って帰って、それらの花びらをちいさなちいさな器に入れ、
これまたちいさな洗面所に置いたのが、写真の「しゃが」です。
洗面所に花びらを置くと、顔を洗うとき、
かがんだ姿勢になるので、花の構造がよくわかるのです。

すごいでしょう。しゃがの花びらの模様。
細い筆で描いたごとし、です。
あやめや花菖蒲によく似ていて、
春の節気から夏の節気に移るのを表していますね。

「水を切らしてはだめよ」と言われていた
サギソウの球根からも
雨のあと芽が出ました。

サギソウは、その名のとおり、
白い鷺が飛ぶ姿にそっくりの花びら。
準絶滅危惧種となっているため、
国営昭和記念公園(東京・立川市)では
ボランティアの方たちの方も参加して
“普及”に努めていらっしゃいます。

そのことやサギソウの育て方も
新しい「毎日が発見」(5月号)に載っています。
取材時のおみやげの、ひと鉢が、私のベランダで
芽を出した、というわけです。

5月号のウー・ウェンさんの連載のテーマは「アスパラガス」。
さっと炒める、そのコツにはまり、
アスパラガスを春巻きの皮で巻いて揚げる、
そのおいしさ、簡単さに感激しました。

「そらまめでもエビでも、何でも巻いてみて。
てんぷらのように考えたらいいんじゃない?」
すばらしいなあ、ウーさん!

そのほかいろいろ。
ぜひ、5月号と一緒に、
さまざまなこと“発見”して遊んでくださいませ。

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Posted by あまゆい at 10:01Comments(0)七十二候だより

2015年04月17日

讃えあう心

七十二候だより いのちの暦 [第54回]
七十二候 第十四候 清明 次候
鴻雁北 こうがんきたす
七十二候 第十五候 清明 末候
虹始見 にじはじめてあらわる

讃えあう心

片寄斗史子

暦は本来、やがて来るときを待つものですが、
いま私は暦を追いかけている様で、
すみません、2つ一緒に、遅れてお届けいたします。

菜種梅雨だったのでしょうか。
ここしばらく雨が降り止むことなく続きました。
ひょうやあられが降ったところもありましたが、
何ごともありませんでしたか。

そんなあとでも、私の住まいの近くでは大きな八重の桜が
ぼてぼてと満開になっています。
この桜、おかっぱの童女のようで、なでてやりたくなります。

昔、京都・仁和寺に行った時は
背丈の低い八重桜が咲き誇り、
ぽんぽんと手のひらに受けてほんわかとしたものでした。

ベランダのローズマリーが小さな紫色の花を咲かせているので
水を入れた器に枝を折り入れ、根を出させて増やそうとして、
ついでに周りのかわいい雑草も一緒に入れたら
さすがですね。雑草の切り口からは翌日すぐに根がはえました。

強い、強いとほめてやり、しょうがない、
雑草の一鉢をつくることになりました。

第十四候の北に帰る雁も、
その前、第十三候で南からやってくるつばめも
遠い地を行ったり来たり、
なんとたくましいことでしょう。
彼らを讃える人間の気持ちが、
こうして暦に残っているのだと思います。

そんな気持ちがお話になった一つが「雁風呂」です。
「毎日が発見」の2015年2月号「深堀り、季語」でも
俳句の井上弘美先生が紹介をしてくださいましたが、
上方落語にもあります。

長い旅路を渡る雁はそれぞれが
木の枝をくわえるか抱えて旅を続け、
疲れるとその枝を海上に浮かべ、
その上で身を休めては飛び続け、
日本に到着する、というお話です。

海岸に辿り着いた雁は、砂浜に枝を置き、
ひと冬を過ごすと雁は自分の枝を覚えていて、
それを選び取って、また飛び立ちます。
ところが、雁が飛び立った後の砂浜に木の枝が何本も……。
せっかくやってきたのに、日本で命を落としたり
行方がわからなくなった雁の枝というわけです。

土地の人は、それらの枝を集めて風呂を焚き
雁の供養とともに、雁のようにこの地を訪れた
遠来の旅人に温かなひとときをふるまい、
疲れをねぎらったそうです。

これは青森が舞台のお話で、
上方落語では、青森が函館になっています。
でも、雁にそのような習性はなく、
民話として伝えられてきたお話です。

鳥も植物も気高く強く美しく、
人間の心の中でも、そのように生きるようにと
昔の人は考えたのでしょう。

そして、鶴の恩返しのように飛び立つ姿に
賞賛の心を届けたのです。



そして、見上げた空には、虹。
第十五候の「虹始めて見(にじはじめてあらわる)」。
七十二候の中でもっとも美しい言葉。
日本中が鮮やかな新緑に包まれる美しい季節の
始まることを知らせています。

気がつけば、もう、つつじやさつきも咲いています。
ゴールデンウイークが過ぎるまでは
肌寒さが残ります。体調にお気をつけて。

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Posted by あまゆい at 17:02Comments(0)七十二候だより

2015年04月09日

長嶋茂雄球場

七十二候だより いのちの暦 [第53回]
第十三候 清明 初候
玄鳥至 つばめきたる

長嶋茂雄球場

片寄斗史子

春分から清明に移り、
初夏の気配の漂う五節気になりました。
花冷えの日もありますし、寒の戻りもありますが、
すずめの声も大きく元気に聞こえます。

あんな小さなすずめにも春の温かさや
冬の冷たさがちゃんと伝わっているわけで、
ベランダの鉢植えにやってくると、
いとしさの歓迎をするのですが、
すぐに逃げては、またやってきます。

これは前にも書いたような気がしますが、
私の母親は、軒下に巣をつくったつばめを
やはり、同じような目で追っていました。

ちいさなものはみなかわいい、いとしい、
というのは『枕草子』にあると、
今は亡き清川妙さんから教えてもらいました。
すうーっとまっすぐ飛び立つつばめが
やってくるこのころは、
野球シーズンの開幕でもあります。

今年は、長嶋茂雄さんが
オフに自主トレを続けた道が
正式に「長嶋ロード」と命名され、
話題になりました。

長嶋さんに限らず、
何か大事を成した有名な人たちについて、
私たちは、ややもするとゴシップ的な話題を好みます。

「長嶋ロード」は、久しぶりに長嶋さんの
不断の努力、技術、思考の具体化を少し伝えて
ちょっと爽やかな思いになりました。

ホンダ技研工業の創始者、
本田宗一郎さんの相棒だった藤沢武夫さんは、
「誰もがみんな、本田宗一郎の
おもしろおかしいエピソードばかりを伝えて、
その卓越した技術のすごさを伝えることができずにいる」、
といったことを著書の中で書いていらした記憶があります。

『松明は自分の手で』というすてきな本でした。
それを読んで、人は自分の器量のものしか見えず
余りにすごいと凡人にはそれが見えないのだなと、
この仕事をする限りは、よく勉強して、心を養い
少しでも対象の素晴らしさを、価値を伝えられる仕事人に
なりたいなと思ったものです。

それはなかなかに難しいことで、それこそ不断の努力ですが、
それでも、その本を読んで意識でき、忘れることはありません。
ちょっとはインタビューなどに秀でていたいものだなと
また何十年目の新年度を迎えました。



本当は何が言いたいかと言うと、
私の大好きな天草(熊本県)には、
ずばり「長嶋茂雄球場」と名付けられた
グラウンドがあります。
手形の碑もあります。

それを知っていただきたかったのです!



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Posted by あまゆい at 13:26Comments(0)七十二候だより

2015年04月03日

心にも雷が鳴る

七十二候だより いのちの暦 [第52回]
第十二候 春分 末候
雷乃発声 かみなりすなわちこえをはっす

心にも雷が鳴る

片寄斗史子

4月になりました。
暦は春分の末候、
いよいよ春本番へと移っていきます。

今日は4月3日。
東京は夕べからの強い春風が桜の花を散らせました。
朝の出勤時、次々に花びらは舞い、道に落ち、端に寄って行きます。
どんなに下を向いて歩いても、ピンクの風が
飛び込んできます。

ときどきの強い風は、桜吹雪となって体に触れ、
何とも言えない心持ちにしてくれます。

こんなお花見もあるんだなと、
ちょっとすかすかした枝を見上げると
街路樹の太い幹の新芽が若葉をつけて
次の出番を待っています。



このころ、春の雷が鳴るとあります。
夏の雷と異なり、ひとつふたつで鳴りやむと
説明がありますが、本当のところ、私には
よくわかりません。

けれども、「春雷」と呼ぶ
その響き、文字の素敵さに
心にひとつふたつ響くものがありますね。
心の中にも雷が鳴ることがあって、
このあいだ、友人と久しぶりにメールで話しました。

その夜、友人は、親戚の誰かの結婚のお祝いにと
つくった手づくり石けん200個に
手書きで言葉を書いて包装していたそうです。

味噌から梅干し、化粧クリーム。
とにかくなんでもつくれるスゴイやつですから
200枚書く、というところから違います。

一つ一つ丁寧に書いてきて、途中から途中から乱雑になり
「もういいか」と思い、ふと、
「こんなことでいいのか?」と問いかけたそうです。

せっかく手書きをしたのに、
これでは、もらった人はどんな気持ちがするだろうか、
自分だって、乱暴な字でいいのかと思ったら
心を平静にして取り組もうと思いなおせたそうです。

「このごろ、平静、ということの大事さを思うようになった。
心をおなかのほうに持っていくと心は平静になり、
平静になると気持ちよくものごとを進められる」と言うのです。

そうして、いつからか、「平静に」と自分に
呼びかけることができるようになり、平静の心を
得ることができるようになったそうです。

平静の心の大切さは古くからいわれてきたことですが、
夜更け、友人から伝えられると、気高い言葉も
身近に感じられます。

自分には関係ないやと思う素晴らしい言葉も
どんどん身近になるのは年齢のせい。
心乱れて平静を知るように、経験のたまものです。

同時に、さまざま自分に言い聞かせてやっと、
何とか日々を通っていけることも知っていきます。

彼女の心にも私の心にも
雷は鳴ります。春でも夏でも。
でも、必ず鳴りやむ時を得て凪のときが訪れます。

そんなときに、心の中の雷や花吹雪舞う様子が
「あ、おんなじ」と感じられる、
そういう友がいると慰められ励まされます。

暦もまた友だちですね。

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2015年04月02日

桜の見方でわかる心模様

七十二候だより いのちの暦 [第51回]
第十一候 春分 次候
桜始開 さくらはじめてひらく

桜の見方でわかる心模様

片寄斗史子


先週の半ば、水曜日だったか木曜日。
帰りがけ、編集部のある東京・市ヶ谷駅前、
靖国通りに出ると、桜がひらいているではありませんか。

あらあら大変と九段下に向かって夜桜散歩をすることに。
途中から土手に向かって左折、飯田橋駅へと
土手を歩くことにしました。

道路脇に較べて土手の桜は、ちょっと寒そう。
さくらんぼも道路脇から色づいていくと
聞いたことがありますから、
やはりアスファルトや車の熱で何度か違いが
あるのでしょう。

そうして週末、明るい日差しのもとで見る今年の桜は
遠くからも近くでみても、やさしい気配です。
小さくまとまり大きくまとまり、輪舞のようです。

第八候 啓蟄 次候は、「桃始笑」でした。
友人からメールが来て、「山笑う」は知っていたけど、
「桃も笑う」なんだと知って嬉しいと書いてありました。

桃始笑と、桜始開。
子どもの笑顔と、美しい女の人の笑顔。
桃と桜では、それほどの違いがありますが、
見事に一文字の違いで表されています。



桜がどんなふうに映るか、
心模様がよく現われると思いませんか。

屈託のなかった若いころ、
桜の季節は、生きている、ただそれだけでも
明るく祝福されている、そんな気分で並木の下から
満開の桜を眺め胸を張る思いでした。

あ、桜を仰ぎ見ることも
近寄って見つめることもしなかった、という年が
突然ありました。

心を縛られているうちに、いつのまにか桜は
はらはらと花びらを私の肩に落ち
咲き始める桜とともに、散り始める桜の
やさしさに初めて気づき涙ぐむ思いでした。

桜のことを思うことのない春になりませんように。
少し苦しくても、顔を上げ、
桜の花をまっすぐ見つめて春を迎えたいと思います。

いつか行ってみたいのが、さまざまな桜が次々と
咲くという、東京・八王子の多摩自然科学園。
でも思えば、毎日歩く道に桜が咲く、眺める、思う、
これがいちばんですね。

いいお花見を――。



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2015年03月28日

陰から陽へと移ります

ご無沙汰しておりました。

片寄斗史子編集長のメルマガを
拝読しまして
このブログへの転載を始めることにしました。

片寄ワールドをお楽しみくださいませ^^

~~~~

七十二候だより いのちの暦 [第50回]
第十候 春分 初候
雀始巣 すずめはじめてすくう

陰から陽へと移ります
片寄斗史子


四節気 春分にはいりました。
週末21日の土曜日は、春分の日でした。
春のお彼岸。

東京は風のない、穏やかな、
それこそ、ちょっとぼんやりとした春日(はるび)の
始まりでした。

続く日曜日は晴れやかな光となり、
いいお彼岸でした。
なるほど、確かにかわいい雀がよく似合うお天気です。

春分の日は、
一年で一番日が短く、陰の極みだった
あの、冬至の日、一陽来復から日が伸び続け
長かった夜と短かった昼の時間が
同じになる日です。

この日を境に、今度はぐんぐん陽気がよくなり
夏至の日にピークとなり、
長かった昼の時間も夜の時間と同じになるのが、
秋のお彼岸、秋分の日というわけです。

両手を真横に伸ばしてみれば、
頭と足で、ちょうど、そのめぐりの
軸を体で感じることができます。

陰から陽へ、陽から陰へ。
なぜ人生に陰があるのかと、ふと思えば
それはやはり、陽への道を歩む張り合いをと
神様は考えたのではないかと思います。
せっかく陽になっても
陽ばかりでは、とても陽の保持のための
努力をしない、つまらない人間になるだろうからと。

こうして暦の中に身をおいてみると
さまざまな言葉が
実感となって届く気がします。

同じ週末、千秋楽を終えた大相撲春場所。
優勝した白鵬横綱の問題発言はさておき、
横綱が大鵬親方を最後に(確か)見舞ったとき、
「がんばれ、がんばれと、
がんばれを7回も言ってもらった」と
短く話していたことがありました。

がんばれ、がんばれ、がんばれ、がんばれ、
がんばれ、がんばれ、がんばれ、と大鵬親方は言った、と。

この話は私の心を打ち、
(だいたいに私はリフレインが好きなのです)、
心がうちひしがれたとき、
ネをあげたくなるとき
「がんばれ」を7回、そっと言ってみます。

この七十二候だよりを3回休んだことで
“お見舞い”のメールを
いくつも頂戴いたしました。

ああ、あの人もこの人も読んでいてくれたんだと
心にしみました。ただ、
ほとんどの方が具合が悪いのではないかと
心配してくださって申しわけないことでした。

以前なら、仕事の忙しさが手に余ってのことと
思われるだけだったでしょうが、
体の具合が悪いんじゃないかと思われるように
なったのは年齢がありますね。
けれども、やはりそんな心配をかけた私であったこと。

いろいろあるのは、みんな同じ。
陽に転じて、がんばれ、7回でいきましょう。
人知れず、そっと自分に。

あらためて、私の綴りを読んで
くださっている方すべてに
心よりお礼を申しあげます。


西のくぼ公園にて

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Posted by あまゆい at 15:41Comments(2)七十二候だより