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2015年04月17日

讃えあう心

七十二候だより いのちの暦 [第54回]
七十二候 第十四候 清明 次候
鴻雁北 こうがんきたす
七十二候 第十五候 清明 末候
虹始見 にじはじめてあらわる

讃えあう心

片寄斗史子

暦は本来、やがて来るときを待つものですが、
いま私は暦を追いかけている様で、
すみません、2つ一緒に、遅れてお届けいたします。

菜種梅雨だったのでしょうか。
ここしばらく雨が降り止むことなく続きました。
ひょうやあられが降ったところもありましたが、
何ごともありませんでしたか。

そんなあとでも、私の住まいの近くでは大きな八重の桜が
ぼてぼてと満開になっています。
この桜、おかっぱの童女のようで、なでてやりたくなります。

昔、京都・仁和寺に行った時は
背丈の低い八重桜が咲き誇り、
ぽんぽんと手のひらに受けてほんわかとしたものでした。

ベランダのローズマリーが小さな紫色の花を咲かせているので
水を入れた器に枝を折り入れ、根を出させて増やそうとして、
ついでに周りのかわいい雑草も一緒に入れたら
さすがですね。雑草の切り口からは翌日すぐに根がはえました。

強い、強いとほめてやり、しょうがない、
雑草の一鉢をつくることになりました。

第十四候の北に帰る雁も、
その前、第十三候で南からやってくるつばめも
遠い地を行ったり来たり、
なんとたくましいことでしょう。
彼らを讃える人間の気持ちが、
こうして暦に残っているのだと思います。

そんな気持ちがお話になった一つが「雁風呂」です。
「毎日が発見」の2015年2月号「深堀り、季語」でも
俳句の井上弘美先生が紹介をしてくださいましたが、
上方落語にもあります。

長い旅路を渡る雁はそれぞれが
木の枝をくわえるか抱えて旅を続け、
疲れるとその枝を海上に浮かべ、
その上で身を休めては飛び続け、
日本に到着する、というお話です。

海岸に辿り着いた雁は、砂浜に枝を置き、
ひと冬を過ごすと雁は自分の枝を覚えていて、
それを選び取って、また飛び立ちます。
ところが、雁が飛び立った後の砂浜に木の枝が何本も……。
せっかくやってきたのに、日本で命を落としたり
行方がわからなくなった雁の枝というわけです。

土地の人は、それらの枝を集めて風呂を焚き
雁の供養とともに、雁のようにこの地を訪れた
遠来の旅人に温かなひとときをふるまい、
疲れをねぎらったそうです。

これは青森が舞台のお話で、
上方落語では、青森が函館になっています。
でも、雁にそのような習性はなく、
民話として伝えられてきたお話です。

鳥も植物も気高く強く美しく、
人間の心の中でも、そのように生きるようにと
昔の人は考えたのでしょう。

そして、鶴の恩返しのように飛び立つ姿に
賞賛の心を届けたのです。

讃えあう心

そして、見上げた空には、虹。
第十五候の「虹始めて見(にじはじめてあらわる)」。
七十二候の中でもっとも美しい言葉。
日本中が鮮やかな新緑に包まれる美しい季節の
始まることを知らせています。

気がつけば、もう、つつじやさつきも咲いています。
ゴールデンウイークが過ぎるまでは
肌寒さが残ります。体調にお気をつけて。

お問い合わせは
「天草を結ぶ会(あまゆい)」
amayui@aromaherb-coo.jp

アロマ&ハーブCOO
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Posted by あまゆい at 17:02│Comments(0)七十二候だより
 
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