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2016年05月01日

命の食事ブロジェクト始動!のお誘い

~お知らせ~
 「毎日が発見」元編集長片寄斗史子さんからのお誘い

「命の食事ブロジェクトIN人吉球磨」第1回

食・農・医を繋ぐ”命のツーリズム”
 
南雲吉則Dr.を講師として
心と身体、そして地域を育む「命の食」について
見つめなおす機会としてのシンポジウムです



 
2016年5月21日(土)14:00~17:30
会場:ひまわり亭 http://himawari-tei.com/
 

シンポジウムと
人吉球磨の食材を使った料理の試食交流会もあり
参加費:3000円

18時~エゴマの種まき
懇親会あり

定員:先着60名

天草でも命の食ツーリズムが可能と思っています。
一緒に勉強に行かれる方、どんなものか興味のある方
ご連絡ください。

アロマ&ハーブCOO
平方久惠 090-8419-0669  


Posted by あまゆい at 15:36Comments(0)片寄斗史子さん

2016年04月03日

[最終回]雷乃発声 かみなり すなわち こえをはっす

七十二候だより いのちの暦 [最終回]
第十二候 春分 末候
雷乃発声 かみなり すなわち こえをはっす


この「七十二候だより」も、
これで最後です。

冷たかった雨がだんだん優しくなって
ひと雨ひと雨気候が巡って、
桜が咲き始めて、3月も終わりになると
「遠くで雷が聞こえる」時期になります。

新しい「毎日が発見」4月号でご挨拶いたしましたが、
この3月末で編集長を退任することになりました。
それに合わせて
この「七十二候だより」もこの候で終わりになります。

ほぼ2年間になるでしょうか。
暦の専門家でもない私が、この場を借りて
七十二候をひもとき、みなさまに読んでいただきました。

そんな、つたない話を呼んでいただけることが
とてもありがたいことでした。
この連載のおかげで、自分が宇宙のもとに存在していること、
ものすごく多くの命が、この地球で育まれ、
自分もその一つであることを感じることができました。

春先の雨が、膨らんできた木の花の蕾を
くるむように降ることも、やっと目にできるように
なりました。

暦は、厳しく冷たくもある自然の日々を
優しさで乗り越えることを教えている気がします。
どのことがらも、忘れないようにしようと思います。

みなさまに読んでいただけたことに
感謝を申し上げ、終わりにさせていただきます。

「はなむけ」にと、前回、「翡翠」の写真を送ってくださった
志田唯史さんが、近所のお寺で撮ったという春の写真を
送ってくださいました。




きれいな桃色は「早咲きの陽光桜ではないか」と。
黄色は「れんぎょう」ですね。
見事な花のような、伸びやかで晴れやかな春が
どなたのもとにも訪れますようにと送ります。
どうか、いい春をお迎えくださいますように。


片寄斗史子


~~片寄さんのメルマガを毎回、転載させていただいておりましたが
   今日をもって、最後となりました。
   毎日新聞の連載記事も先日、おわり・・・
   どこで、片寄さんと会えるの?
   という、とってもさびしい想いなのですが、
   また、
   何か計画中とのこと。
   新しい片寄さんとの出逢いを待ちましょう

   また、天草へも来ていただきたいなぁ♪ ~~


お問い合わせは
「天草を結ぶ会(あまゆい)」
amayui@aromaherb-coo.jp

アロマ&ハーブCOO
090-8419-0669 平方久惠

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090-9074-9646 中野千惠香
  


Posted by あまゆい at 09:53Comments(0)七十二候だより

2016年03月24日

桜始開 さくらはじめてひらく

七十二候だより いのちの暦 [第78回]

第十候 春分 初候
雀始巣 すずめはじめてすくう

第十一候 春分 次候
桜始開 さくらはじめてひらく


春のお彼岸が過ぎて
桜の花が開き始めました。

二十四節気の四節気が、春分。
秋分は、十六節気。
昼と夜の時間がほぼ同じ日ですね。

そして、
これから、どんどん昼の時間が長くなって
1年のなかで一番、昼が長くなるのが、夏至。
一番短いのが、冬至(一陽来復)。

両腕を横に伸ばして、片ほうが春分、
もう片ほうが秋分。
頭のてっぺんが夏至、足もとが冬至。

この四つの軸で分けられたところを
それぞれ六分割したのが、二十四節気、
それをさらに三分割したのが、七十二候。

こうして、
この体ごと一年は巡るのだから、
暑さ寒さ、日差しや風の向き・強さ、湿気に気を配り、
つつがなく暮らしなさい、命をはぐくみなさい、と
教えているのが、暦です。

さあ、そうして日差しが伸びるのに合わせて
桜の花が開き始めます。
東京の私の家のまわり、通勤途中でも、
お彼岸前後になると、ひと枝、ふた枝、
順番に花を付け始めました。

一年に一度の花の時期。
と桜を愛でますが、たいがいのものが
一年に一度の旬を迎えます。

このあとの蕨やぜんまい、筍。
菖蒲の花も藤の花も。
桜は、その象徴なのです。

この体の細胞にも、一年に一度の旬が
あるのかどうか。
桜とともに始まる活動の時期が、体のなかから、
よい巡りになりますようにと思います。

「毎日が発見」の付録
<新・鍛脳ドリル>のなかで
“漢字”にまつわる問題を出してくださっている
お馴染みの、志田唯史さんから
こんな写メールが届きました。





「近くの池にやってきた翡翠」と書いてあります。
きれいな姿。しかも「ひすい」という名。
ぴったりねえと声を出すと、
隣の席から「かわせみ、ですよ」。
あら、イメージがまるで違う……。
みなさまにも、美しい翡翠の姿を、春の贈り物に。


片寄斗史子

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毎日が発見

  


Posted by あまゆい at 14:21Comments(0)七十二候だより

2016年03月01日

草木萠動 そうもくほうどうす

七十二候だより いのちの暦 [第77回]

第五候 雨水 次候
霞始靆  かすみはじめてたなびく

第六候 雨水 末候
草木萠動 そうもくほうどうす


花屋さんでもお花見

大きなこぶしの木に白い花びらが
はっきりと目に見えるようになりました。

視線を下に落とせば
梅の木の下など、ひと足早く
青々とした草むらが目に鮮やかです。

冬の乾いた空気に湿り気が増え、
霧や靄がかかり、
ひと雨ごとに気温が上がり、
人間もですが、植物にとっても、ひと心地。
うれしい季節です。

畑の脇には、仏の座。おうちの玄関にはパンジー。
あちらこちらで、きれいな色の春の花を
楽しむことができます。

すてきな花屋さんを見つけました。
東急・東横線の「学芸大学前駅」、
西口商店街のはずれ、
駒沢通りにぶつかるところの、
「花善 Hanazen」。
仕事先に行く通りにありました。

広い間口の入り口に、
球根がついたままのムスカリやチューリップが
サイズに合わせたガラス瓶に飾ってあります。

仕事を終えて帰り道。
中に入ると、壁にそって、
スイートピーやヒヤシンス、クロッカス。
切り花のパンジーの束がほわほわと
優しげです。

丈の短い春の花は、どの季節よりも
色がさまざま、かわいらしいことです。
「かわいいな」と、ふと漏らすと
「春の花はどれもかわいいですね」と、お店の方。

オーナーらしき方の笑顔に甘えて
ギャラリーのような空間で
ゆっくり全部の花を眺めさせてもらいました。

思いがけず気の利いたお花見になり、
卓上に一輪、ミニカトレアを、
キッチンに蕗の薹を2輪、
遠いわが家までの荷物にならぬよう
バッグにひょいと入れられるおみやげにしました。

蕗の薹を選びながら、
「飽きたら食べられますね」と言うと、
「食用ではなく、さし花用ですから、
薬も使ってるし食べないほうがいいですよ」

確かに、ずんぐりと地に根を下ろした姿ではなく
茎が長くスマートです。
写真でお見せしますね。



蕗の薹

桜の季節までにも
あちらこちらで、お花見楽しんでください。


片寄斗史子


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Posted by あまゆい at 14:34Comments(0)七十二候だより

2016年01月09日

芹乃栄 せりすなわちさかう

七十二候だより いのちの暦 [第75回]
第六十七候 小寒 初候
芹乃栄 せりすなわちさかう


特に1月は明るく賑やかに。



正月三が日が過ぎると「小寒」。
二十四節気の二十三節気に入って、
寒の入り。

このあと二十四節気の「大寒」へと続き、
節分までが、寒の内。
1年中で一番寒い日が続きます。



ところが、東京の三が日は春のよう。
1週間が過ぎても、風がなく陽射しが強いのですから
初春どころか、春そのもの。

あけまして おめでとうございます。
昨年は、この「七十二候だより」におつきあいいただき
本当にありがとうございました。

正月とは1月のこと。
7日は七日正月で、15日は小正月、女正月。
20日は二十日正月で、最後が末日の晦日正月。

1月は、お正月がいっぱい。
だから、どんなに寒くても、
明るく賑やかに、せっせと働きましょう、と
暦は語りかけています。

その証拠に、この寒い時期の中で
七十二候は、芹が盛んに生育することや
一つ前の六十六候では「雪下出麦」、
このあとも、植物や生きものが胎動することに
注目しています。

巡りは後ろへとは進みませんから
次の時間の気配を探すことが
賢明というものだと、昔の人は、
きっと言い聞かせながら暮らしていたはず。
我らも倣って、また1年、元気でまいりましょう。



1月はまた、五節句の始まりです。
3月3日の上巳(じょうし)
5月5日の端午(たんご)
7月7日の七夕(たなばた)
9月9日の重陽(ちょうよう)
はわかりますが、では、1月はいつ?
何の節句でしょうか?

正解は、
1月7日、人日(じんじつ)の節句。
七草粥は、豊作、無病息災、長寿を祈る
節句の御膳だったのです。

奇数の重なる日に、
季節の植物を用いて邪気を祓うのが節句。
七草粥のわけはわかりましたが、
なぜ、1月だけ1日ではなく、7日なのでしょうか。


1月1日は特別の日なので、
7日になったわけですが、
なぜ、7日になったのでしょうか。
答えは、7日は人日、人の日だからです。

古来中国では
1日は鶏、2日は狗(いぬ)、3日は猪(豚)、
4日は羊、5日に牛、6日は馬、
7日に人、8日に穀の吉凶を占い、
殺生を禁じたのが由来と言われています。

人日のわけを知ると、
7つの生きものと1つの植物のことに
思いがいくのでした。



片寄斗史子




毎日が発見



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Posted by あまゆい at 09:59Comments(0)七十二候だより

2015年12月25日

笑顔の夜

笑顔の夜


すっかり本来の意味をわすれてしまいそうな
クリスマスですが

やはり子供にとっては
「1年で1番わくわくする日」
といってもいいでしょう。

私も幼いころ
どんなプレゼントがもらえるのか
とても楽しみにしていたものでした。

プレゼントをくれた母も
たぶん楽しみながら
選んだのだろうなと

遠い日を想い出しています。


 by マツモトヨーコ


  


Posted by あまゆい at 09:09Comments(0)毎日が発見

2015年12月23日

乃東生 なつかれくさしょうず

七十二候だより いのちの暦 [第74回]
第六十四候 冬至 初候
乃東生 なつかれくさしょうず


小雪、大雪。冬至を挟んで、小寒、大寒。
厳しい寒さの中で日あしがのびていきます。

今年は、12月22日が、二十二節気、冬至です。
冬至は1年中で一番、昼間が短い1日。
けれども、ここから次第に昼が長くなる始まりの日です。
だから、一陽来復。
陰が極まって陽に転ずる、
悪いことばかりだったにしても福に転ずるという
暦の中で、もっとも暦らしい日です。

22日の真夜中から朝方。
うっすらと目がさめたので、
よし、夜明けとともに早稲田の穴八幡宮へ
一陽来復のお札を求めに行こう!と思ったものの、
行列だろうからと理由をつけてふとんの中にいました。
お札は節分まではありますから、
折をみてまいることにいたしましょう。

冬至と対になるのが、日が一番長い、夏至ですね。
冬至の初候(第六十四候)は「乃東生(なつかれくさしょうず)」。
夏至の初候(第二十八候)の「乃東枯(なつかれくさかるる)」と
対になっています。

ほとんどの草木が枯れて行く中で芽を吹き始め、
木々が青々と葉を繁らすころに枯れていく、
夏枯草(靭草・うつぼぐさ)は暦とともに生きる大事な草です。

その一方で、二十三節気は小寒、二十四節気は大寒です。
節分まで、1年で一番寒い日へと向かう中で、
新年は始まります。これも暦らしい流れだと、
ちょっとしみじみします。

寒い暮れ、お正月のお祝いに私の父は子どもたちを
本屋さんに連れて行き、1冊ずつ本を選ばせて買ってくれました。
そのことを新しい「毎日が発見」に書いているころ、
2月号の取材で、絵本作家の安野光雅さんにお会いしました。

ローラ・インガルス・ワイルダーの
『大きな森の小さな家』の原書で読むことに
「ハマっているんだ」というお話で、
その中から一つのお話をまとめた1冊の絵本
『森のプレゼント』を、その日、いただきました。




2時間ばかりのあいだ、「本は素晴らしい!」と
心を込めたお話でしたが、
家に帰って、頂いた本の表紙を見て、思わず
「安野先生!」と手をたたきました。

絵本は、クリスマスのプレゼントのお話です。
表紙に登場する森の生き物たちが手や口にしているのが、
どうやら、全部、本や絵本なのです。

帯には、
「きみはなにをもらったの」ときつねが問えば
「おはなしの本がいいな」と、クマさん。
裏の帯では
豚さんが「え本がもらえるといいけどな」。
うさぎは「本だといいけどな」、「あ! 絵本はいいな」と、
せりふが入っています。

本を愛し、手にしてほしいとの、
安野先生の切なる願いが伝わってきて、
幼い日の、あのころの大人の真摯な思いに
心を動かされます。



新年が素晴らしい年でありますように。
お祝いに心を込めてお正月を迎えましょう。
今年1年、読んでくださったことに心からお礼を申しあげます。

片寄斗史子


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2015年12月04日

朔風払葉 さくふうはをはらう

七十二候だより いのちの暦 [第73回]
第五十九候 小雪 次候
朔風払葉 さくふうはをはらう

飛び猫のカレンダー

朔風は、北風のことです。
虹を見ることがなくなり(第五十八候)、
北風が木の葉を払うころになりました。

それより心が騒ぐのは、
もう12月が始まったということ。
お元気でいらっしゃいますか。

暦をめくり、神棚や仏壇を
気持ちばかりでもきれいにして
近所の神社にお参り、というのが、
私のささやかな「おついたち」でしたのに
すっかり、昨日と変わらぬ
月替わりになってしまいました。

それでも無事である、ということは
ありがたいことです。
でも、年越しの準備はどうしましょ……。

10月から、毎日新聞で毎月第2日曜日、
「また、明日ね」というエッセイ
(と言うのは気恥ずかしいですが)を
書かせていただいています。

「また、明日ね」というのは、
私の所属するオフィスで飼うことになった、
「幸吉(こうきち)」という
“マルプー(マルチーズ犬とトイプードル犬とのハーフ)
との1日の終わりの挨拶です。




挨拶が終わると、幸吉は明日の朝までひとりで
オフィスで寝ます。朝、みんながやってくるまで。

毎日のお別れは切なく、
来たばかりの子犬のときは
帰ろうとすると、猛烈な勢いでドアをめがけ、
つくづくと「いなくなる」ことが
嫌いなんだなと、よくわかりました。

今では“わかっている”風ではありますが、
よくはわかりません。ただ、
「いなくなる」という状況は大変ですが、
「いない」という状況は大丈夫なようなのです。

幸吉は、いろいろな行動で私の心を刺激し、
話せばきりがありませんが、
俗に言われる犬派、猫派は余り関係がないなと
最近思うようになりました。

室内犬だからか、寒くなってきたら、
幸吉も猫のように器用にまるまって
寝るようになりました。

起きれば、猫とまったく同じ、
手足をノビノビさせ、「ニャオ~ン」とは
言いませんが、そっくりです。

二本の脚で立って伸びるのも猫そのもの。
猫を飼った経験はありますが、犬は初めてなので、
どっちもかわいいと、なんだか安心しました。

私は、毎日、幸吉の住まいであるオフィスと
「毎日が発見」の発行元である
KADOKAWAの編集部とを行ったり来たりしていますが、
そんなふうに思っている、つい2、3日前のこと。

KADOKAWAのロビーで
かわいい新刊が見本として並べられているのを
見つけました。

『飛び猫』と、ふくろうのフクと猫のマリモの
『フクとマリモ』の、カレンダー・ブックです。
どちらも有名らしいのですが、ご存じですか。

飛び猫のおなかは幸吉のおなかと似ていますし、
マリモの眠る顔は幸吉そのものです。

いずれも写真家の五十嵐健太さんの作品。
神さまは、どうしてこんなにかわいい姿を
させちゃうのでしょ。

猫のカレンダーをお探しの方に

飛び猫カレンダーBOOK 2016

飛び猫カレンダーBOOK 2016
価格:864円(税込、送料別)






詳しく知りたい方には かわいいサイズの写真集があります。






いずれも五十嵐健太さん撮影 KADOKAWA発行です。


片寄斗史子



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Posted by あまゆい at 11:17Comments(0)七十二候だより

2015年11月29日

虹蔵不見 にじかくれてみえず

七十二候だより いのちの暦 [第72回]
第五十八候 小雪 初候
虹蔵不見 にじかくれてみえず


山形で見る虹のお話
虹始見(にじはじめてあらわる)
というのが、第十五候にあります。
二十四節気でいうと、春分のあとの
五番目の節気「晴明」の最後の候=末候です。

二十四節気の始まり、つまり一節気は立春ですから、
その四つあとの節気になりますから、春本番になって
虹が見られるようになる、というわけです。

今その虹が見られなくなる、ということは、
日が短くなって光も弱くなり、
空気が乾燥するということですね。
なぜなら、虹は、太陽の光が空気中の水滴に
反射して現われるものだから、ですよね。

もう一度、虹が見られるようになる春に戻ってみると、
六節気は「穀雨」。空気は湿り、やがて
七節気の「立夏」、季節は夏へと変わります。



七十二候には、このように(虹が見られる↔見られなくなる)
というように対の表現がいくつもあります。
まさしく、暦は巡るということで、
光や水や空気、そして大地……、気象というものが
命に欠かせない肌身とともにあったことがわかります。

気象予報に合わせて傘をもったり
服を一枚重ねたりするよりも、
もっとダイナミックに、暦は天とともに
とらえられていただろうと容易に想像できます。

夏前になると虹を見ていた
あの子どものころのようには
虹を見ることは少なくなりましたが、
ここのところ、山形に行くたびに虹に出合います。

私は山形の農家の女性たち十人ほどと
勉強会を二十年余り続けていて、
新しい「毎日が発見」の12月号、
巻頭の手紙にそのことを書いていますが、
その縁で、ひと月ほど前に、山形の日本海側、
庄内に行ってきました。

大きな会が開かれたためでしたが、
医師の南雲吉則先生にも来ていただき、
聞く機会の少ないお医者さんの真摯なお話もありました。
そのお話が終わったあと、「虹がでたよお」という声が聞こえ、
庄内平野に大きく虹がかかりました。
そういえば前日は雨模様でした。

「山の向こうの もうひとつの日本――山形」とは、
元駐日米国大使のライシャワー博士の言葉として、
ここ山形ではよく知られていますが、
山形に虹がかかるのは、まさしく山と、
水をはらむ田んぼがたっぷりとあるからだと思われます。

とくに庄内は、
月山、羽黒山、湯殿山、鳥海山のふもとが見えるほど
見事に田んぼが続いています。

その、まだ乾ききらない水気が虹を呼んだのでしょう。
私たちの体もたくさんの水を持ち、
南雲先生の言葉を借りれば
「消化管、気管」など、管によって細胞が働いています。

管も細胞も不摂生によって炎症を起こし、
摂生を取り戻すことで自ら修復をしますが、
それには限界があり、限界の現れの一つが
細胞のがん化である、という話は、
では摂生とはどういうことか、というお話でした。

その核となるのが、食生活の見直しです。
「この三十年間に、罹患率だけか死亡率までが
三倍になった乳がんを、これから30年間かけて
三分の一にしよう」、それには生活を変えるしかない、
という内容でした。

検診も手術も治療も、これだけ進んでなお、
がんが急激に増えているのですから、
異なる手立てを考える時がきたということです。

そのメッセージを、「毎日が発見」の新しい号、
12月号に載せています。
ぜひ読んでください。

天と暦と体。
巡る命は、十一月末、二十節気となり、
「小雪」、雪の季節に入りました。
冷えていく空気とともに年末に向かいます。


片寄斗史子


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2015年11月21日

深い秋

~11月号の表紙の話~


深い秋

菊は日本の花というイメージがありますが
奈良時代中期に遣唐使などによって
おもに薬用として中国から持ち帰られたそうです。

都会ではなかなかこの絵のような
鑑賞の大輪菊の栽培を見ることは珍しくなりました。

私が思い描くのは
地方の旧家の軒先などで
丹精込めて育てられた立派な菊が
すくっと立っているというイメージです

    by マツモトコーコ



毎日が発見

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2015年11月20日

金盞香 きんせんこうばし

七十二候だより いのちの暦 [第71回]
第五十七候 立冬 末候
金盞香 きんせんこうばし


立冬を知らせる、菊と山茶花。
昼と夜の長さがほぼ同じという
十六節気「秋分」から、徐々に夜が長くなり、
草木に宿る「白露」(十五節気)は
十七節気では「寒露」になって、寒いという文字が表れます。
菊の花に宿った露を綿にしませて、その香りを枕や部屋に
移したという「菊枕」の露はこの“寒露”。
菊の花が咲き始める節気です。

そうして、十八節気の「霜降」になると、
文字通り霜が降り、紅葉の季節となります。

暦の上で、ぐんぐん寒さが増して行く
その表現の豊かな季節を、すっかりお休みさせて
いただきました。すみません。

早々と寒さを迎えた割には、思いのほか、
冷えていくのがゆっくりの東京の
晩秋から初冬の景色です。

ご近所から庭の柿をいただき、
東京にも案外とたくさんの柿の木が植えられている
と、今年知りました。田舎から送られてくるもの、
とばかり思っていましたから。

山茶花が、もう咲いてる、と思ったら、
いま十九節気の「立冬」の“初候”第五十五候は、
山茶花が開き始めるころ。



“末候”第五十七候は、
金盞、つまり水仙の花が咲くころ。
冷たい雨が似合う水仙や、
凍りかけたみぞれがきれいな山茶花。
ともに、立冬の花なのですね。

こうして、かけ足で暦を旅すると
気候の移り変わりと状景の関係が
よくわかります。
私たちは、意識するとしないとに関係なく
間違いなく暦の上を走り続け、
季節を繰り返すのです。

繰り返す、そのことがどのような意味を
持つのか、まさにそれこそが与えられた時間
なのだと、そこまでしかわかりません。

そうしてひとまず、
1年で一番昼の短い冬至へと今年も向かい
一陽来復まで努めるのです。

千葉県の片瀬純子さんから
「七十二候だより、楽しみにみせていただいて
おります」と、おはがきをいただきました。

言葉にできない感謝の気持ちは
再開することで形にします。
がんばりますね。


片寄斗史子



毎日が発見



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2015年09月28日

まっかな秋

毎日が発見~表紙のはなし~


その名のとおりお彼岸のころ
里山を赤く染めて咲く彼岸花

田んぼや墓地に良く見られるのは
球根の毒性で
動物や虫が土を荒らすのを防ぐために
植えられたという説もあるそうです

観光地にもなっている見事な
群生地に行ったことがありますが

個人的にはあぜ道に並んで咲く
風景に何ともいえない
郷愁を感じます

   by マツモトヨーコ




毎日が発見
  


Posted by あまゆい at 09:10Comments(0)毎日が発見

2015年09月25日

雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ

七十二候だより いのちの暦 [第70回]
第四十六候 秋分 初候
雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ

秋の陽射しは、ありがたいほど透明です。

いいお彼岸でしたでしょうか。

秋のお彼岸は、十五節気「秋分」。
もっとも日が長い夏至を過ぎて
昼と夜がほぼ同じ日が秋分の日。

この日を境に、これから昼の時間が短くなり、
もっとも昼の時間が短い冬至・一陽来復へと
向かいます。

十三節気「立秋」から秋は始まり、
とはいえ、八月ですから、
まだ夏の中にあって秋を迎えたわけです。

そして十四節気、八月の終わりから九月には
「処暑」、暑さが「処=止まる」。
十五節気になると「白露」。
朝晩と日中の気温差が露となって
草木の葉に白く光るようになります。

この十五節気も、締め切りに追われ、飛ばしていましたので、
ここで駆け足で振り返ります。
十五節気「白露」の、初候は、
「草露白 そうろしろし」。
きれいな文字、言葉ですね。



次候は「鶺鴒鳴 せきれいなく」。
雀よりやや大きいという鶺鴒を私はわかりませんが、
どうやら、雀同様、愛らしいようです。

「毎日が発見」の読者の方からいただいたお手紙に
「雀を長らく飼っていた」という便りがありました。
人の手(指?)から餌を食べることをしない雀は
とても飼うことはできないと言われていますが、
きっとうんと小さい時から
飼っていらっしゃったのだと思います。

ちゅんちゅんと、小刻みに鳴き動く雀が室内にいるなんて
とても不思議です。
今月末にお届けの10月号で、ご紹介しています。

そうして、お彼岸ごろまでの末候が
「玄鳥去 つばめさる」。
春から初夏にやってきたツバメが
子育てを終えて、南へと向かうそうです。

ところで、「毎日が発見」で俳句の選者・指導をお願いしています
井上弘美先生から、こんなことを聞きました。
「渡り鳥、というのは冬にやって来て
春に帰っていく鳥を渡り鳥と言います。
春にやって来て秋に帰って行く鳥を、渡り鳥とは言いません」

言われてみると、確かに、いつ来ていつ去っても
渡り鳥では季語になりませんね。
渡って来て去る鳥が渡り鳥なのだと、実は思っていました。



さて、そうして、やっと、第四十六候、初候
「雷乃収声」に戻ります。
雷が鳴らなくなって秋本番に入りますが、
確かに、日の光は透明になり、風は肌に優しく、体の中、
血管まで届くような、ありがたいほどの天の恵みです。

これが秋。どの季節も恵みに満ちていますが、
秋の気候は感謝の気持ちを引き起こします。
高い青空が夜空になると、月が冴えてきたことに
気づいていらっしゃいますよね。

おはぎと、ぼたもち。
おはぎは、お萩、萩の花咲く秋のお餅。
ぼたもちは、牡丹餅、牡丹の花咲く春のお餅。
なんだそうですね。初めて知りました。

秋は新しい小豆だから皮ごと粒あんで。
春は時間が経っているので、濾したあんで。
なのだそうです。

いくつになっても知らないことがあって
うっかり忘れていることもあって
締切りもある!
人生、ときどき、ドキドキ。
今日も、みなさまとともに無事でありますように。

きんもくせいの香りがしてきましたね。


片寄斗史子


毎日が発見

9/27空の日フェスタで
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毎日が発見の既刊号もおもちしますので
立ち読みにおいでくださいませ~


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Posted by あまゆい at 16:47Comments(0)七十二候だより

2015年09月19日

天地始粛 てんちはじめてさむし

七十二候だより いのちの暦 [第69回]
十四節気 処暑
 
第四十候 処暑 初候
綿柎開 めんぷひらく
第四十一候 処暑 次候
天地始粛 てんちはじめてさむし
第四十二候 処暑 末候
禾乃登 こくものすなわちみのる


十三節気の、初候、次候、末候を終えて、
それきり失礼して、
勝手にお休みをさせていただきました。
すみません。

理由は、
19日(土)を入れて連続4日間ものお休みが、
ちょうど「毎日が発見10月号」の
配送などの日程にかかるため、
通常より短い制作期間のため、
追いつめられていたのでした。

というより、まあ、いろいろありまして。
情けないことですが、
もう、追いつかなかったのでした。

こんなに長くお休みをすると
なかなか復帰が難しいなあとウジウジしていたら、
毎回、進行をしてくださっている方が
「お忙しいとは思いますが、連休の前には配信したいですね」と
何も聞かずにおっしゃったのでした。

それで、原稿を渡さなかったらいけませんね。
というわけで、気を取り直して取り組みます。


地湧金蓮 photo by tieka

お休み中の8月末から9月の初旬は、
十四節気 
初候 綿柎開 めんぷひらく
次候 天地始粛 てんちはじめてさむし
末候 禾乃登 こくものすなわちみのる

綿を包む萼が開き始め、稲が実りの季節を迎えるころは、
暑さも落ち着き万物が改まるとされる時期。
ちょうど秋雨前線が現われ、
大陸の冷たい空気を運んできます。

今年の9月は急に涼しくなり、
七十二候の暦が教えるとおりに
大雨となりました。
みなさまに被害はなかったでしょうか。

そもそも「処暑」の「処」には
「止まる」という意味があります。
暑さが止まるとき、私のお休みも止まり、
ここからが、この節気の好きなところですが、
「万物が改まるとされる時季」。

暦はやはり、いつでも、こうして
改まる、と励ましてくれます。
スッスッと、ものごとを運べない私も、
改まる万物のもと、虫の音を頑張れと聞き、
何があっても暦とともに前を向いて
いかねばと思います。

もちろん、あなたもですよ。


片寄斗史子


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2015年08月27日

蒙霧升降 もうむしょうごう

七十二候だより いのちの暦 [第68回]
第三十九候 立秋 末候
蒙霧升降 もうむしょうごう

台風の日に。

立秋も過ぎて、第三十九候は
もうもうと霧が立ち込める、
それほど空気(水蒸気)が急激に冷える
「蒙霧升降」です。
勇壮な天地の動きを示しています。

秋の夕方、大気がぐんと冷えて、
霧の中で日が暮れていったことがありました。
山形県の庄内でのことです。

それはまさに上から大気が霧の帳(とばり)となって
目の前に降りてきて夜を迎える、
天のドラマを見ているようでした。

霧が降りてくる、という現象に遭遇できたのは
そのとき一度だけですが、
厳粛な気配を思い出します。



台風15号は温帯低気圧変わったとはいえ、
各地の被害が伝えられる
8月の終わりです。

台風がきたら、
圏内の方はどうか、くれぐれも外出は控え、
身や家屋の安全に留意してください。

ふるさとの出雲に被害はないかと訊ねると、
「大社さんのおかげで何事もなく」と、
返事がきました。
みなさまのところも同じでありますように……。

台風だけのせいなのかどうか、
ぐんと涼しい東京ですが、
このまま涼しくなるのなら、
今年の夏は短かった、となりますね。

さて、夏休みはいかがでしたか。
クーラーの効いた電車から涼しいビルへ、
ちょっとの移動にも感じる暑さに負けて
今年は夏休みを返上。涼しくなってチビチビお休みを
いただくことにしました。

とはいえ、世間はお盆休みや夏休みですから
それなりの、くつろいだ気分は味わえます。

リフレッシュした友人からのお土産は
休まない私を大喜びさせますし、
休み中だからと知人の訪問もありました。
迎えるこちらもお休み気分ですから
普段とはまた違うビールの味です。

大人もこれから秋の新学期の準備に
かからなければなりませんが、その始まりは
気候の変化に注意することからにいたしましょう。

気を付けて気を付けて
過ごしなさい、ということもまた、
暦から読みとることができます。

とにかく台風の時は
安全な場所で動かないようにしてください、
というのが、本日の七十二候だよりでお伝えしたいことです。


片寄斗史子

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Posted by あまゆい at 10:03Comments(0)七十二候だより

2015年08月18日

寒蝉鳴 ひぐらしなく

七十二候だより いのちの暦 [第67回]

第三十五候 大暑 次候
土潤溽暑 つちうるおうてむしあつし

第三十六候 大暑 末候
大雨時行 たいうときどきにふる

第三十七候 立秋 初候
涼風至 すずかぜいたる

第三十八候 立秋 次候
寒蝉鳴 ひぐらしなく

この1カ月。

こんなに七十二候が並んでしまって
お恥ずかしい次第です。
暑さのせいか、年のせいか、これが力か、
理由はともかく、ここしばらくは、ふうふう言っていました。

8月8日は立秋でした。
この日から立冬の前日までが、暦に上では秋です。

梅雨が明けて夏本番の始まりが、二十四節気の小暑で、
この時は「温風至」だったのが、
大暑では「土潤溽暑」となり
立秋となって「涼風至」となっています。

この間、1か月。
現実は、とても「涼風至」とはいきませんが、
それでも、立秋前から、まず朝に、ほんのわずか
気温が下がっているのが感じられました。

今年の暑さほど「土潤溽暑」の文字が
ぴったりの暑さはありませんね。
強い日差しに地面の熱が引くことがないので、
少々風が吹いても熱風となり却って熱気に包まれます。



夕方になっても夜になっても地面の熱が下がらないから
朝になっても“ひんやり”どころか、昨日の暑さに
今日の暑さが重なって、毎日どんどん暑さが重なっていきます。

下がる気温の力が弱いのか、地面の熱が強いのか。
地面とは、都会に限らず行き届いたアスファルトの地面のためか、
その下の活火山の力か。この暑さは、どのように収まって
いくのかなどと思っていたら、それでも秋風らしくなり
さわやかさとは遠いものの季節は巡るようで、
ほっとひと段落、ですね。

暑いさなかの8月6日の、広島。
平和記念日に世界から100もの国の
参加があったとニュースで知りました。

いらしてくださった国々の方と
お迎えになった方たち。
ともに暑い中での行いに、頭を下げるだけでした。

そして、長崎、8月15日へ。
この時期は大きな自然の巡りと
戦争からの巡りのときが重なります。

昭和25年生まれの私にとって、
戦後の貧しさの、その空気はわかっても
戦争というものの実感はありません。
少しずつ豊かになっていく、
戦争のあとかたがあれこれと消えていく
そういう時代に育ったのだと思います。



戦争については、
子どものころには両親や年の離れた姉兄から、
大人になるにつれ本や映画で多少、知ってきました。

今年も何本かの“戦争映画”が封切られていますが、
私が見たのは、ドイツ映画の「あの日のように抱きしめて」。
「東ベルリンから来た女」の監督、主演女優・男優ですよ、と
ナチスをめぐる映画です、と
すすめられ観ることになりました。

顔に大けがをしながらも、
アウシュビッツから奇跡的に生還した女性が
顔の再建手術を受けるところから映画は始まります。

検問を通って病院へと向かう、
その始まりから画面は緊張感に満ち、静かな迫力です。

その主人公が、行方のわからなかった夫を探し当て、
けれども夫は妻とは気づかない(考えられない)どころか、
妻の遺産を山分けしようと持ちかけます。
果たして夫は妻を裏切りナチスに彼女を差し出したのか。

どのような人がどのように戦争に巻き込まれていったか、
海外の映画には仔細に表現されたものが少なくありません。
その上で、いかに生きようとしたか。

映画は、過酷な運命を経ながら、
虚無を抱えて生きる人間の姿を示して
時を超えて伝わるものがあります。

観たばかりの映画について語るのは
難しいですね。
「おもしろかった」、「よかった」から
考える時間が必要です。
映像から得たものを言葉にしなければなりませんから。
ひとまず、また、おつきあいください。


片寄斗史子

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2015年07月28日

桐始結花 きりはじめてはなをむすぶ

七十二候だより いのちの暦 [第66回]
第三十四候 大暑 初候
桐始結花 きりはじめてはなをむすぶ

桐の花と蓮の花

十一節気の「小暑」から、
二十四節気、前半の最後、
十二節気の「大暑」に入りました。

このあたりから約2週間後の立秋まで、
つまり、二十四節気の後半が始まるまでが
1年でもっとも暑い日です。

確かにその通りですね。しかも大雨や台風も。
「暑い」とばかりも言っていられなくて、
体、身の回りに充分注意して過ごすときです。

そんな時期に、暦が注目しなさいというのが、桐の木。
初夏、山裾辺りに薄紫の花をつけ、この暑い時期に
実を結ぶということです。

木に咲く花はよっぽど意識して見ないと
その花の様子はわかりにくいものですが、
桐の木はことに高いところだけに花をつけるので、
身近に眺めるというわけにいきません。
花札とか紋章のほうが身近です。



私の父方の祖母は花札の好きな人で、
たくさんの孫にルールを教え、交代をさせては
マッチ棒を賭けて“勝負”を楽しんでいました。

祖母の強みは、身支度に手を抜くことのない
非常にきれいなおばあさんであったことと、
魔法のように水屋からお菓子を出すこと。
私たち子どもはいつも祖母の部屋を出入りしたものです。

賭けごとの味をしめたせいか、
きょうだいは両親ともよく花札をし、
桐の花の“格”の高さを身をもって知りました。

記憶にある、ほんものの桐の木は目の前のきれいな幹の肌と、
見上げてみるすてきな葉っぱ。
遠くに薄紫のかたまりの花、です。

桐が実を結ぶのは、蓮のはなびらが散ったあと、
と書いてありますが、蓮の花の様子も
知らないままです。

「蓮始開(はすはじめてひらく)」は、
第三十二候、小暑の次候でした。

蓮の花が大好きな友人は、
自宅で睡蓮を育てていて、
その七十二候を読んで、
メールで睡蓮の花の様子を教えてくれました。

手を合わせたような睡蓮の花弁は、
朝の光をその中に集めるのです。
花の中に集まった光の美しいこと、美しいこと。
しかし、睡蓮の花の素晴らしさはこれだけではないのです。

3~4日ほど咲いた睡蓮は、蕾と見間違うほどに
しっかり閉じます。そして、細い茎に引かれるように
水中に身を沈めます、いや鎮めました。

しばらくしてわずかに身を崩し、土色になります。

清い水ではないところに凛と咲き、
花びらを1枚も散らさずに丁寧にたたみ、静かに身を引き、
何ごともなかったかのように身を横たえています。

睡蓮は「生き方、死に方を教えてくれた花です」と

書き添えられていました。



蓮の花びらは、散るのではなく、まして萎むではなく、
結ぶ(閉じる)。そういう花なのですね。


片寄斗史子


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Posted by あまゆい at 10:57Comments(0)七十二候だより

2015年07月18日

鷹乃学習 たかすなわちがくしゅうす

七十二候だより いのちの暦 [第65回]
第三十三候 小暑 末候
鷹乃学習 たかすなわちがくしゅうす

サルスベリの花が鈴なりに開いて梅雨開け。

これは7月中旬、出勤途中の公園で、
今年も花咲き始めた白いサルスベリを見て、
“私の七十二候”を気取ってみたものです。

三角垂のようにサルスベリの花が開くと、
りんりんりんと、神社で巫女さんが持つ“巫女鈴”を
いつも思い出します。

七五三のときだったと思います。
お社の中に上がって、ご祈祷を受けていると、
鈴を持つ白い顔の巫女さんがあらわれ、
その手首が動くたびに鈴の音がして、
どこか違う世界からの音のようでした。



今年の7月半ばは台風11号。
みなさまに被害はありませんでしたでしょうか。

さて、7月半ばの、本当の七十二候は、
鷹の子が飛び方を覚えるころ、
「鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)」です。

一体全体、鷹の子というものがどんなヒナか、
わかりませんが、孵化するのが5、6月とありますから
まだまだ幼いでしょうが、早くも巣立ちの準備をするわけです。

動物の様子や気持ちを考えるとき
必ず思い浮かぶのが、ローレンツ博士の
『ソロモンの指輪~動物行動学入門』です。

親鳥のいない雁のヒナが
刷り込みによって世話をする人間を親と思い付いて歩く、
といった観察記録などを記し、
「“ソロモンの指輪”がなくても、自分がよく知っている
動物の気持ちなら多少はわかる」と著した本です。

“ソロモンの指輪”とは、古代イスラエルの王、ソロモンが
大天使ミカエルから授けられた指輪のことで、
その指輪をすることで、あらゆる動物や植物と会話ができる
というものです。

ひょんなきっかけで、半年ほど前から仕事場で
ペットショップで売られていた子犬を飼うことになりました。
昼間はいろいろな人間が出入りするたびにはしゃぎ
元気で遊んでいますが、
仕事を終えてひとり、ふたりと帰っていくと、
そわそわと人の動きに敏感になり、やがて、
朝まで“ひとり”で過ごします。

やってきた当初はゲージの中に入れ眠らせましたが、
いまではもう勝手にソファでも床でもどこでも寝ます。
そして、朝、誰かがやってくるのを「もう来るかな?」と、
たぶん待っています。

あんまりかわいいので
「かあさんもかわいいの?」などと聞いて、
あ、この犬は生まれるとほどなく“ひとり”ゲージに
入れられて大きくなったんだと気づきました。

誰に生きる術を教わったわけでもないのに
眠り食べ排泄をし、膝に抱かれる。
それが、すべて遺伝子に組み込まれているのでしょう。

犬はそのことに非常に忠実に従って、危険を避け
シンプルに生きるのです。
生まれ落ちて、ただ“ひとり”、遺伝子に守られ独学をする犬、
それがペットショップの犬ではないかと思うのです。
あらためて親も兄弟もなく生きているんだなあと
感心しながら一緒に時間を過ごしています。


片寄斗史子



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Posted by あまゆい at 09:04Comments(0)七十二候だより

2015年07月14日

温風至 あつかぜいたる

七十二候だより いのちの暦 [第64回]
第三十一候 小暑 初候
温風至 あつかぜいたる
第三十二候 小暑 次候
蓮始開 はすはじめてひらく

このお便りが2年目に入ります。

「第三十候の『半夏生(はんげしょうず)』で、
まる1年、続いたことになります。
今度の『温風至(あつかぜいたる)』から2年目です」

なんとなく、そろそろかなとは思っていましたが、
やっぱり! 
係の方が教えてくれました。

1年を続けることができた、
ということは、
原稿を受けとめ、ブログの形にしていただく
何人もの方がいてのことだと、よくわかります。

そして、読んでくださる方がいてのこと。
お読みいただいている方に
あらためてお礼を申しあげ、
1年続いたうれしさを共にできればいいなと思います。

第三十候の「半夏生」を読んで、
友人がすぐにメールをくれました。
テレビで、山形には
「半夏(半夏生)の一つ咲き」という言葉が
あると伝えていて、その番組に感動したというのです。

「半夏生」は夏至から11日め、新暦では7月2日ころにあたり、
そのころ、紅花が一輪だけぽっと咲くことを
「半夏の一輪咲き」と、昔の人は言ったのだそうです。

そして「半夏生」を境にして、
次々に紅花は花を開かせ、
辺り一面を紅黄色に染めていくのだそうです。

この、紅花の不思議な花の開き方を
昔の人は天の巡りに合わせたということは、
それだけ七十二候が身近で
あったということでしょうか。

あるいは、この「半夏生」のころには、
各地でそうした、さまざまな変化が
見られたのかもしれません。
大きな節目として覚えておこうと思います。



お茶やさまざまな料理教室でのレッスンなどで、
何年も続けていらっしゃる方がいらっしゃいますね。
ついこないだまでは、そうしたことに
ずいぶんと悠長なこと、と思っていましたが、
こうして、ささやかな勉強を始め続けてみると、
繰り返していく“やめられない楽しみ”がわかります。

「半夏生」のあと、十一節気、小暑、「温風至」から、
また1年、始めます。

始まる、開く、という言葉が使われることの多い
七十二候ですが、
第三十一候の温風は、“至る”です。
いよいよ暑くなりますよ、ということですね。

そうして、第三十二候は、「蓮始開(はすはじめてひらく)」。
梅雨が明け、大暑へと向かっていきます。
「毎日が発見」7月号の表紙のように
夢のような夏をつくりたいと(暑い、暑い、ばかりではなくね)、
そのためには元気でと思います。

2年目に入った<七十二候だより>
みなさまのお話も聞かせてください。


片寄斗史子


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Posted by あまゆい at 09:07Comments(0)七十二候だより

2015年07月08日

半夏生 はんげしょうず

七十二候だより いのちの暦 [第63回]
第三十候 夏至 末候
半夏生 はんげしょうず

梅雨の日に写真2枚贈ります。

七十二候の中には、なじみのない言葉が
割合多く出てきますが、
この「半夏生(はんげしょうず)」もその一つです。
半夏(はんげ)という、きれいな文字に、
生=生きる、生まれる、生ずる
という文字。

半分の夏、夏半分に何が起きるというのだろうと
ただ眺めるだけで調べもしないときは
謎めいていたものです。
でも、もうわかります。

半夏とは、絵とともに説明がありますが、
サトイモ科の薬草「烏柄杓(からすびしゃく)
のことをいうのだそうです。

絵を見ると、
葉っぱ(葉柄)がくるりと丸まっています。
この巻き方、
花のカラーと同じ、
カラーも同じサトイモ科でした。

「半夏」の丸まったそのさまを、
烏が使う程度の小さな柄杓に見えるからと
「烏柄杓」と呼ぶようになったそうです。
烏に柄杓を持たせるなんて
なんとイキな発想でしょう。

「カラスのエンドウ」もありますから、
野良仕事にはカラスは親しい鳥だったのでしょう。
そんなことを思うと、
半夏という文字の美しさにも
親しみが含まれているように感じます。

誰かに、何かに、親しみを感じる、
という心もちになるというのは
日々の張りつめた営みの中で
ひととき心がやわらぐ幸せの一つです。

このあいだ、奈良に住むイラストレーターの、
小池百合穂さんから
「梅雨が続きますね。ごぶさたしております」と
メールをいただきました。

ここのところ、毎号、
「きものリフォーム」のページでイラストを
描いていただいていますが、担当におまかせで
私は本当にごぶさたをしておりました。

「毎日が発見」の仕事を通しての
それも離れていますから
メールか電話のおつきあいですが、
やわらかでやさしいお人柄に包まれて
一度お会いしただけで親しみを感じてきました。

メールには、夏には伺います、という
うれしい予告と「あじさいと、カワトンボの写真を送ります」
とありました。「カワトンボ、かっこいいです」と。
こんな、かっこいいカワトンボ、いるんですね。
というわけで、みなさまにも写真を見ていただきます。

あじさいは、京都・宇治の三室戸寺、



カワトンボは奈良のあじさい寺・矢田寺での撮影、とあります。



きれいな写真でしょ。小池さんもこんな感じの方です。
二つとも知らないお寺。
さ、調べて今度行きましょう。
小池さんが行くのですから、
訪ねる甲斐のあるお寺に決まっているのです。

片寄斗史子

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